2024年新年賀詞交歓会を開催しました。
日本粉末冶金工業会は、1月19日(金)「2024年新年賀詞交歓会」をホテルインターコンチネンタル東京ベイ(港区竹芝)で開催しました。
冒頭、元日に発生した令和6年能登半島地震の犠牲者に向けて参加者全員で黙とうが捧げられました。
年頭の挨拶を伊井会長(株式会社ダイヤメット)、ご来賓の星野素形材産業室室長、園田粉体粉末冶金協会会長(福田金属箔粉工業株式会社)からご挨拶を戴きました。
引続き、菊池常任理事(ポーライト株式会社)ご発声の乾杯のあと、懇談に移りました。会場は、随所で談笑や親睦の輪が広がる中、定刻となり、得丸常任理事(JFEスチール株式会社)の音頭で中締めを行い閉会としました。
○伊井会長挨拶
日本粉末冶金工業会 会長 伊井浩 氏
粉末冶金製品を取り巻く環境ですが、自動車産業の回復とともに、昨年は、一昨年に比べますと、回復はいたしましたが、生産量はコロナ前の水準まで戻っておりません。そして、粉末冶金の主力製品が多く使用される内燃機関車が電気自動車へ置き換わりが確実に進んでいます。業界にとっては今後も厳しい状況が継続すると思われますが、一方で新たな需要(モーター、電動バイク、軟磁性材料等)が創出されています。
今後、持続的な成長には、変化、進化することのリスクを恐れずに、チャレンジすることが肝要と考えています。キーワードは、イノベーションです。イノベーションを起こすのは人、つまり人材の確保が急務と考えます。そのためには適正な賃金で就労できる環境を整えるということが不可欠です。そのために経済産業省殿から今までのご支援に加え、人材確保に対するご支援をお願いしたいと存じます。JPMAといたしましても国、政府と連携を取りながら、会員に対してサポートしていきたいと考えております。
今年は、当業界にとりまして、最大のイベントWORLD PM2024が10月13日から横浜で開催されます。30ヵ国以上、1000名超の方々の参加を予定しています。大会成功のためには関係各社のご支援が欠かせません。皆さまのご協力をなにとぞよろしくお願いいたします。
○星野素形材産業室室長
経済産業省素形材産業室 室長 星野昌志 氏
能登半島地震で被災された方々に心からお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。経済産業省としても継続的な支援を行いたいと考えています。さて、経済産業省としては素形材産業、粉末冶金業界を元気にする取り組みを業界と共に進めていくため主に3つポイントについて取り組みたいと考えています。
一つ目は、取引適正化(賃上げ)です。政府として昨年11月末に労務費の適切な転嫁に関する指針を公表しました。本指針を活用して価格転嫁を始めとする取引の適正化を進めていただきますようお願いいたします。
二つ目は、省人化と人材育成です。政府として補正予算を活用して使いやすい省人化投資の支援制度を整備していますので是非、有効な活用をご検討下さい。また、業界を担う若手育成については産官学が一体となって重要性、魅力を発信するネットワーク構築を進めていきたいと考えています。
三つ目は、新技術・新分野に挑戦することです。例えばGX(エネルギー・環境問題)は、産業界全体が直面している問題ですが、これにつきましても様々な問題に対し支援を行ってまいります。
○園田粉体粉末冶金協会会長
一般社団法人粉体粉末冶金協会 会長 園田修三 氏
本年は新年早々、能登半島地震が発生し、多くの方が被災されました。自然の脅威を前にして無力感を覚えると同時に、企業として何ができるのかを考えさせられました。また2日には羽田空港で航空機の衝突という痛ましい事故が発生しました。地震で物資を輸送する任務に当たっておられた海上保安庁の方は非常に残念な事となってしまいましたが、日航機の乗客367名と乗員12名、合わせて379名の方が無事脱出できたことは何よりでした。お亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災されました方に心よりお見舞いを申し上げます。粉末冶金製品の主要取引先である自動車業界におきましては、自動車各社は回復傾向にあり、当業界も緩やかながらも回復に向かい始めたように感じます。一方、世界に目を向けますと、紛争、戦争、大国間の対立等、先行き不透明感が漂っています。しかし先行きを見通すことが困難な時代だからこそ、ビジネスチャンスもあります。事業環境の変化を見極めた上で、何事にも前向きに対応していくことが肝要かと思います。
さて、今年10月にはいよいよWORLD PM2024 YOKOHAMAが開催されます。12年ぶりに日本で開催されるこの国際大会では産業界と学会から多くの方が集まります。この大会を通して「粉末冶金業界の世界的発展」に貢献していきたいと思います。
当協会としましても、日本粉末冶金工業会と連携し、しっかりと準備を進めていきます。日本での開催をぜひとも成功させたく、皆様には積極的な参加と熱い議論をお願いします。